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資格公開 2026-05-01

経営事項審査(経審)とは?点数の見方と実務的な対策

建設業者が受ける経営事項審査(経審)の仕組み・点数算出方法・評点アップの対策を解説。入札参加に必須の知識です。

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経営事項審査(経審)とは何か

経営事項審査(以下「経審」)は、建設業者の経営状況・技術能力・社会性などを客観的に評価する制度です。主に公共工事の入札に参加する際に必須となる資格審査であり、建設業許可を受けた企業は定期的にこの審査を受ける必要があります。

経審の評点は発注機関の格付けの基礎となり、入札可能な工事種別・工事規模が決まるため、建設業者にとって極めて重要です。

経審が必要な理由

公共工事の発注機関(自治体・各省庁など)は、施工能力の確実な業者を選定するため、入札参加資格として経審の受審と一定水準の評点を求めます。特に大規模な工事ほど、要求される評点は高くなります。

経審の評価構成:5つの指標

経審は5つの評価項目から構成されており、それぞれ点数が算出されます。

評価項目略記号評価内容配点目安
経営規模X売上高・営業利益など経営の規模約50点
経営状況Y債務状況・利益率などの財務内容約50点
技術能力Z技術者数・技術実績など約50点
労働福祉W社会保険加入・労働安全など約25点
建設業の社会性A法令遵守・地域活動など約25点

出典:建設業振興基金

各評価項目の詳細

経営規模(X): 決算書から売上高・営業利益・経常利益などを抽出し、過去3年または5年のデータを用いて算出します。売上規模が大きいほど点数が高くなります。

経営状況(Y): 財務諸表の分析から、負債比率・利益率・営業年数などを評価します。財務健全性が高い企業ほど高得点です。

技術能力(Z): 一級・二級建築士など配置技術者の資格、過去の施工実績、工事経歴書などで評価されます。許可を受けた工事種別での実績が重視されます。

労働福祉(W): 健康保険・厚生年金・労災保険の加入状況、勤続年数、安全教育の実施などが対象です。

建設業の社会性(A): ISO認定、法令遵守状況、納入期限の遵守、技能講習の実施などです。

総合評点の見方と活用

経審結果は「総合評点(P値)」として集約され、通常0~1000点の範囲で表示されます。発注機関はこの総合評点から業者を格付けし、格付けが高いほど、より大型の工事への入札参加が可能になります。

評点の構成式

一般的な総合評点(P値)の算出式は以下の通りです:

P = 0.5X + 0.5Y + Z + 0.25W + A

この式から、経営規模(X)と経営状況(Y)、技術能力(Z)が特に重要であることがわかります。

経審の申請手続きと周期

経審は3年ごと(または1年ごとに実施する機関もあり)に受審が必須です。申請は、各地の建設業許可行政庁(都道府県土木事務所など)や、建設業振興基金に設置された経営状況分析機関を通じて行います。

申請に必要な書類:

  • 決算書(貸借対照表・損益計算書など)
  • 工事経歴書
  • 技術者の資格証等
  • 社会保険の加入確認書

経審の点数を上げるための実務的対策

1. 決算書の最適化(X・Y項目の改善)

経営規模と経営状況を向上させるには、財務管理が重要です。

具体的な対策:

  • 売上高の計上漏れをなくす(工事実績の正確な記録)
  • 過度な経費計上を避ける(利益率の確保)
  • 不必要な役員報酬を削減し、営業利益を確保する
  • 過度な短期借入金を避ける(負債比率の低下)

例:売上高が2,000万円増え、利益率が1%改善すれば、X・Y値それぞれ数点~十数点のアップが期待できます。

2. 技術者の配置強化(Z項目の改善)

一級・二級の建築士、施工管理技士など保有資格者の数と質が評価されます。

具体的な対策:

  • 技術者の資格取得を計画的にサポートする(年1~2名程度の新規取得)
  • 経営者・経営幹部が建築士資格を取得する
  • 過去の工事実績を正確に工事経歴書に記載する

一級建築士1名追加で、Z値が3~5点程度上昇する可能性があります。

3. 社会保険・法令遵守の整備(W・A項目の改善)

労働関連の加点は見落とされやすいですが、改善の手間が比較的少ないです。

具体的な対策:

  • 従業員全員の社会保険加入の徹底(未加入者がいないか確認)
  • 安全衛生教育の記録を整備する
  • コンプライアンス体制(法令遵守方針)の文書化
  • 営業所の安全掲示物の充実

社会保険完全加入で、W値が3~5点、コンプライアンス体制で、A値が2~3点上昇します。

4. 適切な申告タイミング

決算期を工夫することで、評点の変動を有利にすることができます。

考慮すべきポイント:

  • 赤字決算の年を避ける(やむを得ない場合は説明資料を準備)
  • 大型受注後の決算で経審を申請する(売上実績の反映)
  • 新しい資格取得者が配置された後に申請する

5. 専門家の活用

経営コンサルタントや経審に詳しい行政書士に相談すれば、より効率的な対策が可能です。

相談の例:

  • 決算書の最適な計上方法(税務申告との整合性を保ちながら)
  • 工事経歴書の最適な記載方法
  • 経営状況分析の事前チェック

経審結果の活用と入札参加

経審の評点が確定したら、発注機関が公表する「格付け基準」と照合します。各機関は経審評点に基づいて業者を複数グレードに分けており、工事金額・工事種別ごとに参加資格が決まります

例えば、自治体Aの格付けが以下だとします:

格付必要評点対象工事規模
A800点以上5,000万円以上
B600~799点2,000~5,000万円
C400~599点500~2,000万円
D400点未満500万円未満

この場合、評点650点なら、B格付けとなり、2,000~5,000万円の工事への入札参加が可能です。

経審失効時の対応

経審の有効期限(通常3年)を過ぎると、それまで参加できていた工事入札への参加資格が失効します。失効前に必ず更新申請を行う必要があります。申請から結果通知まで通常2~3ヶ月かかるため、失効3ヶ月前までには申請を済ませましょう。

まとめ

経営事項審査は、建設業者が公共工事入札に参加するための必須要件です。その評点は5つの評価項目から構成され、総合評点によって入札可能な工事規模が決まります。

点数を上げるには、決算書の最適化、技術者資格の強化、社会保険・法令遵守体制の整備が効果的です。毎年の経営改善を心がけ、経審のたびに評点アップを目指すことが、業容拡大と経営基盤強化につながります。

次の経審受審の3~6ヶ月前から準備を開始し、実績整理と財務管理に注力することをお勧めします。

※ 本記事は AI (Claude) により自動生成されたものです。記事内容は一般的な情報提供を目的としており、 個別の案件への適用や法的判断は専門家にご相談ください。

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