経審Y点・経営状況分析の計算と評価|8指標の読み方
経営事項審査のY点(経営状況分析)とは何か。流動比率・自己資本対固定資産比率など8指標の計算式と評価方法、登録経営状況分析機関の選び方をわかりやすく解説します。
経審Y点・経営状況分析とは
経営事項審査(けいえいじぎょうしんさ)は、建設業を営む企業が公共工事に入札するために必須の審査です。その評価項目のひとつが**Y点(経営状況分析点)**です。
Y点とは、企業の財務状況を客観的に数値化したもので、流動比率や自己資本対固定資産比率など8つの経営指標を組み合わせて計算されます。公共工事の入札において、Y点は直接的な加算点となり、経営管理体制や技術力と並ぶ重要な評価要素です。
経審の総合評価点は「経営状況分析点(Y点)」「経営規模等評価点(X1点)」「経営管理体制評価点(X2点)」「技術者評価点(Z点)」の組み合わせで決まります。中でもY点は財務健全性の最初の指標として機能するため、入札参加資格の可否に大きく影響します。
Y点を構成する8つの経営指標
Y点の算出に用いられる8指標は、登録経営状況分析機関(民間の分析機関)が計算します。各指標の概要は以下の通りです。
1. 流動比率(CR = Current Ratio)
計算式:流動資産 ÷ 流動負債 × 100
企業の短期的な支払い能力を示します。一般的に100%以上が健全とされ、150~200%が目安です。建設業は季節変動が大きいため、業界平均よりやや高めの水準が望ましいです。
2. 自己資本対固定資産比率(FA = Fixed Assets Ratio)
計算式:(自己資本 - 固定資産) ÷ 自己資本 × 100
固定資産(建機・施設など)が自己資本でどれだけまかなえているかを示します。マイナスの場合は固定資産が自己資本を上回り、経営リスクが高いと判定されます。
3. 自己資本比率(NC = Net Capital Ratio)
計算式:自己資本 ÷ 総資本 × 100
企業全体の資産のうち、自己資本で賄われている割合です。20%以上が目安で、高いほど経営が安定しているとみなされます。
4. 利益剰余金対総資本比率(RC = Retained Earnings Ratio)
計算式:利益剰余金 ÷ 総資本 × 100
過去の累積利益がどれだけあるかを示す指標で、企業の内部留保力を表します。経営の安定性と信用性の判断材料となります。
5. 負債対同族比率(DL = Debt to Equity Ratio)
計算式:有利子負債 ÷ 自己資本
借入金の返済能力を自己資本と対比させた指標です。1.0以下が健全、1.5を超えると過度な負債と判定されやすくなります。
6. 利益率(PL = Profit Margin)
計算式:経常利益 ÷ 売上高 × 100
売上に対する利益の比率で、経営効率の良さを示します。建設業の平均は2~5%程度ですが、業種・規模により異なります。
7. 売上高経常利益率(OPM = Operating Profit Margin)
計算式:営業利益 ÷ 売上高 × 100
本業の稼ぐ力を示す指標で、一時的な利益変動に左右されない営業力を測定します。
8. インタレスト・カバレッジ・レシオ(IC = Interest Coverage Ratio)
計算式:(営業利益 + 支払利息) ÷ 支払利息
営業利益で支払利息をどれだけカバーできるかを示します。2.0倍以上が健全とされ、1.0倍未満は経営危機のサインです。
Y点の評価基準と結果の見方
各指標はランク付け(A~Eランク等)され、その合計がY点となります。登録経営状況分析機関により、若干の算出方法の違いはありますが、基本的な構造は同じです。
| 項目 | 水準 | Y点への影響 |
|---|---|---|
| 流動比率 | 150%以上 | 加算 |
| 自己資本比率 | 30%以上 |
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